国内外の地域づくりプレイヤーが集う「LOCAL CONNECT」第2回が東京・品川にて開催
2025年2月5日・6日、株式会社宿場JAPANは協業協定を結ぶ、韓国の社会的企業「共感シーズ(EMPATHY SEEDS)」(韓国・大邱にてゲストハウス「共感ゲストハウス(EMPATHY GUESTHOUSE)」を運営)とともに、多文化共生社会実現のためのツーリズムコミュニティ「LOCAL CONNECT」の第2回大会(「LOCAL CONNECT 2025 TOKYO」)を開催しました。

昨年に行われた第一回では、宿場JAPANと共感シーズをはじめ、「ゲストハウス及び旅行業を通して社会課題を解決する」点において志を同じくするゲストハウス6社が大邱に集まり、協定を締結。2025年は東京・品川にて開催し、総勢71名が日本国内外、13つの地域から集まり、各種プログラム、ワークショップを通して、今後のさらなる協業にあたり、事業・個人ともに互いの理解と親睦を深めました。
主催: 株式会社 宿場JAPAN
共催: 共感シーズ/共感ゲストハウス/ZERO GUESTHOUSE(韓国大邱市)/ 神戸ゲストハウス萬家(兵庫県神戸市)/ゲストハウス蔵(長野県須坂市)/ 鬼石ゲストハウスさんと宿(群馬県藤岡市)
協力: 旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会/品川区/北品川商店街協同組合
協賛: 北品川一丁目町会 会長 大塚好雄/青物横丁商店街振興組合 理事長 権東品/ 北品川本通り商店会会長 石渡健夫

LOCAL CONNECT とは?
「LOCAL CONNECT」とは、「ゲストハウス及び旅行業を通した社会課題の解決」を目指すコミュニティおよびスローガンであり、地域間の連携・多文化共生・持続可能な観光の推進を目的としたイベントです。
2024年1月10日、宿場JAPANは韓国の大邱において、第一回「LOCAL CONNECT」を開催し、共感シーズと協定を締結。ともに「旅で世界を良くする」という同じ志をもつ両社代表が協業について合意したことを端緒としています。
昨年の様子はこちら
2025年プログラム
2月5日(水)
9:30 – 12:00 オリエンテーション
【第1部】品川宿の歴史講義 (9:30~10:45) @ 北二町会会館
【第2部】まち歩きツアー (10:45~11:30) @ 旧東海道品川宿エリア
15:00 – 17:30 ミートアップ(総会)@ 品川健康センター 7階ホール
18:00 – 20:00 懇親会 @ 品川健康センター 7階ホール
2月6日(木)
9:30 – 16:00 ワークショップ @品川第一地域センター 2階第1集会室
16:00 – 18:00 ワークショップ発表会 @品川健康センター 7階ホール
発起人

共感シーズ(EMPATHY SEEDS)
地域観光と国際交流を通じて社会を変革することを掲げる韓国・大邱を拠点とする社会的企業(※)。脱北者支援を行う支援団体として2003年に設立、その後2013年に社会的企業としてゲストハウスと旅行会社を設立。2024年現在は、2つのゲストハウスを運営し、その利益の20%は、脱北者の再定住プログラムに充てられる。
※「社会的企業」・・「社会的企業育成法」に基づき、国から認証を受けた「社会的目的を追求しながら営業活動をする企業」。諸条件(一定の収益がある、利潤の3分の2以上を社会的目的に使う、有給労働者を雇用する等)を満たす必要がある。
宿場JAPAN
旧東海道品川宿を拠点に、「地域融合型」宿泊施設の企画・運営を行う。タイプの異なる5つの宿泊施設運営を軸に、個人や企業のゲストハウス開業・再生支援、地域に根差したおもてなしができる人材育成活動を展開している。

参加ゲストハウス
共感ゲストハウス/ZERO GUESTHOUSE(韓国大邱市)/神戸ゲストハウス萬家(兵庫県神戸市)/ゲストハウス蔵(長野県須坂市)/ 鬼石ゲストハウスさんと宿(群馬県藤岡市)/品川宿ゲストハウス&ツアーズ
参加地域プレイヤー
橘 翔士(鹿児島県 妙見温泉:妙見館)/鈴木 俊良(熊本県 南阿蘇:オルサみなみあそ)/渡邉 萌(福島県 土湯温泉:ONSEN HOSTEL YUMORI) /北原 太志郎(長野県 松川町:マツカワたがやす会議/GOKIGEN Nippon)/田邊 寛子(東京都:まちひとこと総合計画室)/飯塚 洋史(当日代理:玄間博己)(東京都:合同会社quod)

2025年レポート
昨年大邱にてキックオフとなった第1回。第2回となる2025年は、宿場JAPANチームが一から企画を考案し、品川にお招きしました。今回の開催にあたって一年の間に加わった新たな連携先が全国から集結。宿場JAPANが拠点をおく品川のまちづくり関係者も招聘し、「地域同士を繋ぐ」ことを実現するために、この一年間で延べ10回を超す交流回数を通して「LOCAL CONNECT」という概念をともに育ててきた大邱チーム以外の方にも同じ視点を共有してもらいたいと、言語や立場を超えて相互理解を育む仕掛けづくりに腐心しました。

2日間の行程は、「オリエンテーション」「MEET UP」「ワークショップ」の3つの柱を中心に。参加者同士のネットワーク構築を促進することを目指しました。
- オリエンテーション : 参加者同士の交流と、地域の歴史を学ぶまち歩き
- MEET UP : 地域プレーヤーによる実践事例の共有とトークセッション
- ワークショップ : チームで「Local Connect Tour」を企画し、多文化共生の実現を考える
1日目/2月5日
1日目は、オリエンテーションから開始。「東海道品川宿 その風土とまちづくり」をテーマに、旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会の一員として長年品川宿エリアの地域づくりに携わってきた佐山吉孝氏を講師に迎え、品川宿エリアを散策。品川宿の成り立ちやまちづくりの背景についての解説をききながら、このエリアに対する理解や関心を深めていただきました。参加者からは「実際に歩くことで、地域のストーリーや文化を肌で感じることができた」 「地域住民との交流が生まれたのが良かった」などの声が聞かれました。

同日15時からのミートアップでは、宿場JAPAN代表・渡邊崇志による開会宣言を皮切りに、権 東品氏(青物横丁商店街振興組合理事長)、協賛品紹介(北品川1丁目町会 会長 大塚好雄様氏/北品川本通り商店会 会長 石渡健夫氏より)、また森澤恭子 区長からの動画メッセージなど、多方面からのご協力を紹介。

また、このネットワークが始まるきっかけをつくった張本人の一人である共感シーズ 共同代表のホ・ヨンチョル氏からは、「LOCAL CONNECT」にかける思いやこれまでにともに築いてきた歩みを振り返り、またここから始まる未来への熱い期待感についてスピーチがなされました。



後半では、日韓それぞれの宿泊・観光分野で活躍するゲストハウス運営者3人によるトークセッションを実施。宿場JAPAN 渡邊を進行役に、山上万里奈氏(長野・ゲストハウス蔵)、パク・チョルン氏(神戸・ゲストハウスMAYA)、パク・ジヒョン氏(韓国・LOF)が「多文化共生を促進する宿泊施設の役割」「地域の魅力を世界に伝えるための工夫」について、ディスカッション。最後は全国6地域より集まった6名の地域プレイヤー(※前掲参照)を紹介し、この日の最後を飾る懇親会へ。国内外の地域プレーヤーや行政関係者、地元関係者がビュッフェ形式のカジュアルな食事をともに囲み、「ネットワーキングとして非常に有意義だった」「話し足りないくらい楽しかった」「多様な立場の人と話せて刺激になった」と1日目を締めくくりました。


2日目/2月6日
2日目はチームに分かれて、「LOCAL CONNECT TOURを作る」というお題のワークショップ形式で進行。「自分だから紹介できるローカルとつながるツアー」をテーマに、日韓のゲストハウスオーナーを参加者として想定した、品川ともう一つのまちを組み合わせた3泊4日のツアープランをチームごとに作成。テーマ、行程、推しポイント、イメージ写真の4要素で構成したプレゼン資料にまとめて発表し、最後は審査も行う、という大掛かりな内容でした。







最後には品川健康センター7階ホールにて、各チーム渾身の「LOCAL CONNECT TOUR」企画をプレゼンテーション。ゴザを持って名所を巡るツアー、地域の“お母さん”を訪ねるツアーなど、個性豊かなツアー案が次々繰り出され、会場は大いに盛り上がりました。




審査結果の後には、日韓それぞれの参加者が互いの言語で歌を贈り合う感動のフィナーレ。あっという間の2日間は、昨年にも増して具体的なアクションへ歩みを進めたことへの確かな手応えと、今後さらにこの動きを加速させていくことへの決意を新たにする大きな一歩となりました。



PEOPLE & GUESTHOUSE
LOCAL CONNECT を率いる人物たち

共感シーズ代表 キム・ソンア
予防医学および職業環境医学科の専門医として20年間、慶尚北道亀尾市と大邱市、慶山地域で外国人労働者の無料診療ボランティア活動を行う。2009年、脱北者支援NPO団体を率いたホ·ヨンチョル代表との出会いをきっかけに、フェアトレード(公正取引)の旅行会社を設立することを企画。共感シーズ設立時、社会的企業として運営が難しいため他の会社が一般的に採択しない「株式会社」の形式を採用。2017年には無事株主に収益の5%配当を達成する。スペイン巡礼を通じて旅行が持っている力と社会変化の可能性を信じるようになり、共感ゲストハウスでその旅程を始めることになる。「家から出たら苦労をすると言われるが、苦労がなければ学べない。トラベルの語源はTroubleだ」「SceneryよりStory, FoodよりFriends」という言葉を胸にフェアトレードツーリズムの道を率いている。夫のイ·ジョンウ氏も医師として共に医療界に携わっており、大邱神戸コリア教育文化センターの院長を務めている。

宿場JAPAN代表 渡邊崇志
2009年、旧東海道品川宿にて「ゲストハウス品川宿」をオープン。自身がアジアでのバックパッカー体験、ゲストハウスでの交流を通して、自身や他者の人生が変わった経験から、旅行ビジネスを通した本質的な社会課題の解決を志す。日本全国の宿泊施設コンサルティングや旅行ツアーの企画、講演、地域コンテンツの発掘・開発サポートのほか、ゲストハウス開業支援「Detti プログラム」を行う。著書に書籍『ゲストハウスがまちを変える: エリアの価値を高めるローカルビジネス』(学芸出版社)。

共感シーズ代表 ホ・ヨンチョル
非営利団体の活動を通し、脱北者支援やホームレス支援などを行う。 2009年に知り合ったキム·ソンア代表に語った「フェアトレード旅行会社を設立したい」という一言で、地域の多様な社会問題を解決するため2013年「共感ゲストハウスEMPATHY GUESTHOUSE」を立ち上げ。2015年から観光社会的企業「共感シーズ」を設立。地域観光の活性化を通じて地域経済の成長と共に、未就職の若者、脱北者、様々な理由によりキャリアを絶たれてしまった女性などの社会的弱者とされる人々に働き口と支援サービスを提供。社会的価値を生む企業として地域の文化体験を通して経済を成り立たせ、住民の暮らしに直接的に役立つフェアトレードな旅行を追求している。一号店となる共感ゲストハウスは当時まだ観光要素が希薄で治安的にも良くない立地だったが、10年余り経営を続ける中で旧市街で暗かった路地を明るく人の行き交う通りに変貌させることに寄与。大邱慶北におけるローカルネットワークを通じて地域の多様な人的資源と共に連帯して成長し、さらに持続可能な運営のために努力を重ねる。

神戸ゲストハウスMAYA 代表 パク・チョルン
韓国ソウル生まれ。中学生の頃に大分県での日韓学生交流会に参加、言葉の壁を越えて強い絆を育んだ経験から、様々な違いを乗り越えて尊重しあえる社会の実現を志す。ワーキングホリデーで来日し東京の企業に就職。日本で結婚し営業職に従事していた中で、宿場JAPANによるゲストハウス開業支援「Detti プログラム」を知り応募。2015年から約半年の住み込みの研修期間、約2年の物件探しを経て、2017年神戸市灘区に「神戸ゲストハウス MAYA」を開業。地域の商店街とのコラボ企画なども手がける。
参加ゲストハウス
TOKYO


品川宿ゲストハウス&ツアーズ
旧東海道沿いの風情ある宿場町「品川宿」に位置するゲストハウス
JR「品川」徒歩12分
京急「北品川」徒歩2分
〒140-0001
東京都品川区北品川1-22-16
TEL: 03-6712-9440
KOBE

神戸ゲストハウス
MAYA
港町・神戸で、「地元にいちばん近い旅」をお手伝いするゲストハウス
阪急「王子公園」徒歩4分
JR「灘」徒歩5分
〒657-0836
兵庫県神戸市灘区城内通4丁目4-10
TEL: 090-9856-8280
GUMMA

鬼石ゲストハウス
さんと宿
地元を愛する群馬出身オーナーが営む群馬県藤岡市の鬼石地区そのままの暮らしを味わうゲストハウス
〒370-1401 群馬県藤岡市鬼石414-2
TEL: 080-7684-0480
DAEGU

EMPATHY GUESTHOUSE
元病院をリノベーションした、旅を通して身近な社会課題と向き合う入り口としてのゲストハウス
32 Jungang-daero 79-gil, Jongno 2(i)-ga, Jung-gu, 大邱, 韓国
DAEGU

Dongseongro
ZERO guesthouse
繁華街の中央に位置する、賑やかな大邱市街地を散策するのに最適
「ゼロ・ウェイスト」(ごみを出さない)を実践する環境にやさしいゲストハウス
2-3F, 9, Dongseong-ro 12-gil, Jung-gu, 41913 大邱, 韓国
協力・協賛
協力:旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会/品川区/北品川商店街協同組合
協賛:一丁目町会 会長 大塚好雄/青物横丁商店街振興組合 理事長 権東品/ 北品川本通り商店会会長 石渡健夫
今後の予定
5ヵ年計画に基づき、LOCAL CONNECTの意志を共有できる協賛者・協賛社たちとともに、地に足のついた息の長い活動を着実に進めていきます。
VISION
「ローカルをつなぎ、持続可能な多文化共生社会を実現する」
各地域の宿泊・観光・まちづくり事業者が連携し、国境を超えた共生の仕組みを構築し、地域経済と社会的課題の両方を解決することを目指します。
5ヵ年計画
2025年: 認知度向上と基盤構築
2026年: 事業化・収益化
2027年: 地域ごとの独自プロジェクト展開
2028年: グローバル展開
2029-2030年: 持続可能なプラットフォームの確立
To Be Continued…
宿場JAPANは、「『SHUKUBA』の輪を全国に」を理念に掲げ、旧東海道品川宿を拠点に「地域融合型」宿泊施設の企画・運営を行ってまいりました。創業から変わらず目指しているのは、小さな宿の感動から地域と世界をつなぎ、人や文化に寛容な人材と多文化共生社会をローカルから実現すること。今後は「全国」を「世界」に広げ、ゲストハウスという究極のローカルビジネスを通して社会課題解決を後押しするきっかけを生み出していきます。
宿場JAPAN代表・渡邊崇志の考えるLOCAL CONNECTの今後や、その先に目指す未来および事業展開については、こちらのプレスリリースをご覧ください。
お問合せ
さらに詳細な開催レポート情報をご希望される方や、「LOCAL CONNECT」に関するお問い合わせなど、お問合せフォームからお気軽にお問い合わせください。